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鹿児島地方裁判所 昭和60年(ワ)789号 判決 1987年3月26日

原告

堀内洋樹

原告

堀内桂三

原告兼右両名法定代理人親権者母

堀内優子

原告

堀内耕一

右原告ら訴訟代理人弁護士

安田雄一

被告

塵児島市

右代表者市長

赤崎義則

右訴訟代理人弁護士

保澤末良

宮原和利

主文

一  被告は

1  原告堀内優子に対し、金八二四万二五〇〇円及び内金七三四万二五〇〇円に対する昭和五八年五月二四日から、内金九〇万円に対する昭和六〇年一〇月三日から各完済に至るまで年五分の割合による金員を、

2  原告堀内耕一、同堀内洋樹及び同堀内桂三に対し、それぞれ金二五七万七五〇〇円及び各内金二三七万七五〇〇円に対する昭和五八年五月二四日から、各内金二〇万円に対する昭和六〇年一〇月三日から各完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告らのその余の請求を棄却する。

三  訴訟費用は被告の負担とする。

四  この判決は原告ら勝訴部分に限り、仮に執行することができる。

事実

第一  当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告は

(1) 原告堀内優子に対し、金一三五八万七五〇〇円及び内金一二五八万七五〇〇円に対する昭和五八年五月二四日から内金一〇〇万円に対する昭和六〇年一〇月三日から各支払済みまで年五分の割合による金員を、

(2) 原告堀内耕一に対し、金四三八万五八三四円及び内金四〇四万五八三四円に対する昭和五八年五月二四日から内金三四万円に対する昭和六〇年一〇月三日から各支払済みまで年五分の割合による金員を、

(3) 原告堀内洋樹、同堀内桂三に対し、それぞれ金四三七万五八三三円及び内金四〇四万五八三三円に対する昭和五八年五月二四日から内金三三万円に対する昭和六〇年一〇月三日から各支払済みまで年五分の割合による金員を、

それぞれ支払え。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

3  仮執行宣言

二  請求の趣旨に対する答弁

1  原告らの請求をいずれも棄却する。

2  訴訟費用は原告らの負担とする。

第二  当事者の主張

一  請求の原因

1  事故の発生

(1) 発生日時 昭和五八年五月二三日午後八時二三分頃

(2) 発生地 鹿児島市山下町一二番二五号先被告鹿児島市市電軌道敷上

(3) 事故車 原動機付自転車

(4) 運転者 訴外堀内英樹(以下「英樹」という。)頭蓋内血腫、脳挫傷により同月二四日午後二時一一分死亡

(5) 態 様 英樹は、事故車を運転して別紙図面の交差点を南(いづろ方面)から北(鹿児島駅方面)へ進行中、同図面付近のレール部分が敷石と約五センチメートル以上段差があり高くなつていたために、右レール部分に事故車の前輪が衝突して、同車がジャンプしバランスを崩して転倒した。

2  責任原因

被告は前記軌道設備の管理者であるところ、本件事故現場は別紙図面のように通行車両も多い大きな交差点であり、この交差点を通行する場合は必ず市電軌道上を通行しなければならないようになっているにもかかわらず、本件事故当時、同図面付近のレール部分が敷石と約五センチメートル以上段差があり高くなつていたままの状態になつていたのを放置していたのは、本件事故車である原動機付自転車のようにバランスを崩しやすい二輪車も通行することは当然予想されることから考えると、被告には前記軌道設備の管理に瑕疵があるといわなければならない。本件事故は市電軌道設備の管理の瑕疵によつて発生したものであるから被告は国家賠償法二条一項にもとづき本件事故によつて生じた後記損害を賠償する責任がある。

3  損 害

(1) 本件事故による原告らの損害は次のとおりである。

(一) 逸失利益 金三二五五万円

英樹は本件事故当時四三歳の健康な男性であり、有限会社南日本火災報知機の代表取締役として給与収入を得ており、昭和五七年分の給与収入は金三〇〇万円であるから、これを基礎として生活費として三〇パーセント控除し新ホフマン係数を使用して計算すると次のとおり金三二五五万円となる。

3,000,000×(1−0,3)×15,500−32,550,000

(二) 慰謝料 金一六〇〇万円

英樹は原告ら妻子四人の大黒柱として稼働していたものであり、その慰謝料としては金一六〇〇万円が相当である。

(三) 葬儀費 金九〇万円

原告堀内優子(以下「原告優子」という)は、英樹の葬儀費用として少なくとも金九〇万円を支出した。

(四) 原告優子は英樹の妻であるから、その相続分は二分の一、その余の原告らは英樹の実子であるから、その相続分は各六分の一である。

従つて原告優子の損害額は、前記(一)、(二)の相続分に前記(三)の固有の損害を加えると金二五一七万五〇〇〇円、原告堀内耕一(以下「原告耕一」という)の損害額は金八〇九万一六六八円、原告堀内洋樹(以下「原告洋樹」という)及び同堀内桂三(以下「原告桂三」という)の損害額は各金八〇九万一六六六円となるが、英樹にも過失があり、その過失割合は五割が相当と認められるので、過失相殺後の原告優子の損害額は金一二五八万七五〇〇円、原告耕一の損害額は金四〇四万五八三四円、原告洋樹、同桂三の損害額は各金四〇四万五八三三円となる。

(五) 弁護士費用 金二〇〇万円

原告らは財団法人法律扶助協会を通じ原告代理人に本件訴訟追行を委任し、弁護士報酬規定による報酬支払いを約束しているが、この内金二〇〇万円(内訳原告優子分金一〇〇万円、原告耕一分金三四万円、原告洋樹、同桂三分金三三万円)を被告が負担するのが相当である。

(2) 以上のとおりで、結局原告優子の損害額は金一三五八万七五〇〇円、原告耕一の損害額は金四三八万五八三四円、原告洋樹、同桂三の損害額は各金四三七万五八三三円となる。

よつて原告らは被告に対し、国賠法二条一項にもとづき請求の趣旨記載の判決を求める。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因第1項(1)ないし(4)は不知、(5)のうち図面付近のレール部分が敷石と約五センチメートル以上段差があり高くなつていたことは否認し、その余は不知。

2  同第2項中、被告が本件軌道設備の管理者であること、本件事故現場が交差点であることは認め、本件事故当時図面付近のレール部分が敷石と約五センチメートル以上段差があり高くなつていたこと及び右状態を放置していたことは否認し、被告の軌道設備の管理瑕疵及び損害賠償義務があるとの主張は争い、その余は不知。

3  同第8項は不知

三  被告の主張

本件事故は英樹が事故車を時速約七〇キロメートルで運転していたためにハンドル操作を誤り転倒した事故である。

仮に何らかの段差があつたとしても、本件現場付近は通常の注意を払つて通行する限り、原動機付自転車の場合でも容易にバランスを崩し転倒することはなく、本件事故は英樹においてハンドルを確実に把握操作し、無理な運転をみあわせるべきであつたにもかかわらず、漫然と時速約七〇キロメートルという高速で、本件事故現場付近を通行した英樹のもつぱらの過失により発生したものであり、通常では予測できない稀有な事故というほかはない。以上のように、軌道設備の管理者としては、本件事故の如く本件軌道敷において原動機付自転車が転倒するということは通常予測しうるところではなかつた。本件の場合、カーブ部分で脱輪防止のために本軌条面と護輪軌条面との段差は不可欠であること等から考えると、本件における段差の存在をもつて通行上危険な軌道設備であつたとはいえない。

四  被告の主張に対する認否

被告の主張は争う。

第三  証拠<省略>

理由

第一本件事故の発生

<証拠>によれば、昭和五八年五月二三日午後八時二三分頃、訴外堀内英樹(以下「英樹」という)が原動機付自転車(以下「バイク」という)を運転して走行中、鹿児島市山下町一二番二五号先鹿児島市市電軌道敷において転倒し、頭蓋内血腫、脳挫傷により同月二四日午後二時一一分頃死亡したことが認められ、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。

第二本件事故の態様、被告らの責任及び英樹の過失割合

一まず、本件事故の態様につき検討するに、<証拠>によれば、本件事故当日の午後七時過ぎ頃、英樹は仕事のためバイクで外出し、仕事が終わりおそらく自宅に帰る途中、午後八時二三分頃、鹿児島市山下町一二番二五号先の市役所前と桟橋通り間に存する本件交差点を、いづろ方面から鹿児島駅方面へかなりの高速度で(ただし正確な速度は本件証拠上明白でない)進行中、別紙図面表示の付近では後に認定するとおり、本軌条と護輪軌条との間に約三センチの高低差があつたため、護輪軌条の上にバイクの前輪が衝突し、ドンという音とともにバイクは小さくジャンプし、バイクと英樹がばらばらに離れ、英樹は道路上に転落したものと推測され、バイクだけがひとり滑走し、衝突地点から前方約二二メートルの地点にバイクが転倒し、その先に血こんが落下していたこと、以上の事実が認められ、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。

二次にバイクが衝突した地点付近の電車軌道の状況について検討する。<証拠>を総合すると、本件事故現場付近の市電の軌道は一般道路に設置されたいわゆる併用軌道であること、本件交差点において電車の軌道はいづろ方面からみて左カーブになつているため、電車が遠心力で右の方へ飛び出し脱線するのを防止し、車輪が本軌条の上を通るよう誘導するため本軌条に沿つてその内側に護輪軌条が設けられているが、新品のレールをとりつけるさい護輪軌条の頭部と本軌条の頭部との間に約一センチメートルの高低の差がつけられていること、本軌条は電車の重み等でどんどん摩耗していき、レールの寿命と一般に言われている二五ないし三〇年になると約二〇ミリメートル摩耗し、その頃になると新しいレールにとりかえているが、本件交差点付近のレールは昭和二三年一二月に新しく取りつけられたもので本件事故当時三四年余経過しており、レールはすでに寿命がきていたこと、本件事故直後、実況見分が行われた際、本軌条と護輪軌条の間(輪縁路)から護輪軌条の頭部までの高さ(これは護輪軌条の頭の高さに相当する)が測定されたが、それによると高さは約四センチメートルあつたこと(もつとも、原告は実況見分の際測定されたのは本軌条と護輪軌条との高さの差である旨主張するが、右認定事実に照らし右主張は認め難い)、当初本軌条と護輪軌条との間に約一センチメートルの差があつたこと及びレールの寿命から判断すると、本件事故当時、本軌条と護輪軌条との高さの差は少くとも三センチメートル存したものと推認されること、電車軌道をやむなく横切る際、右軌道が道路面と段差がある場合にはスリップ等を避けるために速度をおとし軌道に対し直角になるよう横断するべきであるが、本件交差点においては軌道はカーブしているため直進する場合、右軌道を斜め方向に横切らざるを得ない状況にあること、本件事故後、昭和五八年六月から七月及び同年一一月から一二月にかけ、鹿児島市は本件交差点内の一部軌道改良及び補修工事を行い、従前のコンクリートブロック舗装からアスファルト舗装に切りかえられたが、右工事後本件衝突地点の本軌条と護輪軌条の間隔が工事前に比べて狭くなり、道路面と軌道敷との段差も工事前に比べて低くなつていること、右改良工事によりコンクリートブロック舗装からアスファルト舗装に切りかえたが、これはアスファルト舗装の方が工期が短くてすむという配慮もあるが、アスファルト舗装の方がコンクリート舗装にくらべて軌道敷と道路面とが平面にしやすく、本件のような事故も防止しえるとの考慮も働いているものと推測されること、交通局は今後軌道敷について改良工事を行う場合は、すべてアスファルト舗装でやつていくという計画をたてていること、本件事故以前にも、いづろ方面から鹿児島駅方面に直進中、本件事故現場付近でバイクが転倒した事故が二回発生しているが、実際に転倒を経験した者は転倒した原因を次のように考えていること、すなわち、事故現場付近の交差点を横断する際、右交差点のところで軌道がカーブしているため道路面と軌道面に段差のある軌道敷に対し斜め方向に横切らざるを得ず、特にスピードを出しすぎていなかつたにもかかわらず、軌条面との段差にハンドルをとられたのが転倒の原因であると。以上の事実が認められ、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。

三そこで以上の事実を前提にして、本件事故が被告の市電軌道敷管理の瑕疵にもとづくものであるか否かにつき判断する。本件現場は被告鹿児島市において管理している軌道敷であることは当事者間に争いがない。国賠法二条一項にいう公の営造物の設置又は管理に瑕疵があるとは、当該営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうと解される。そこで本件軌道敷が、通常有すべき安全性を欠いていたか否かにつき判断する。軌道敷は本来電車の運行のためのものであるが、自動車、原動機付自転車等の車両も一定の制限の下に軌道敷内を通行することが認められている以上、軌道敷は路面電車のみならず他の車両の交通の安全も確保しうる状態にあることが必要である。前記二で認定したとおり、本件事故現場付近はいわゆる併用軌道であるから、一般の車両等の通行に支障がないよう軌条面と道路面とが高低がないようにしなければならないとされている(軌道建設規程一一条)。もつとも本件事故現場付近はカーブになつており、脱輪防止のため護輪軌条と本軌条との間に約一センチメートルの高低の差をもうけていることは前認定したとおりであるから、右の高低差は不可欠なものであるとしても、高低差は最大一センチメートルあれば十分であるのに、本件の場合レールの寿命がすでに到来しレールも約二センチ摩耗し本軌条と護輪軌条とにおいて約三センチメートル、道路面と護輪軌条面との間においては三センチ強の高低差があつたうえに、本件事故直後に行われた改良工事により本軌条と護輪軌条との間隔も狭くなつたが、事故当時はその間隔はかなり広かつたこと、本件交差点は車両の通行がかなり多く、普通乗用自動車のみならず原動機付自転車も通行している場所であり、いづろ方面から鹿児島駅方向へ行くためには必ず本件交差点を通行しなければならない場所であり、軌道敷を通過する際、右軌道がカーブになつているため、軌道に対し直角に横切ることができず、斜め方向に横切らざるをえない状況になつていること、本件事故の約一年前バイクで本件事故現場付近を通常の速度で通過していたにもかかわらず、軌条面と道路面との段差を斜めに横切つたため転倒したことがあつたこと。以上認定した本件現場の軌道敷の状況、地理的状況、交通量及び前記認定したように、本件事故は英樹が軌道敷に対し斜め方向から横断中、軌条面と道路面との段差にバイクの前輪が衝突し、その結果発生したものであることから判断すれば、本件現場が軌道敷として通常備うべき安全性を欠いていたものとみるのが相当である。被告は、本件事故は英樹が漫然と時速六〇ないし七〇キロメートルという高速で本件軌道敷内へ進入した結果発生したもので、本件軌道敷の設置又は管理に瑕疵はなかつた旨主張するが、英樹の走行速度を明確にし得ないことは前示のとおりであり、他に英樹のバイクの運行態様が軌道の管理上通常予想されえないような異常なものであつたと認めるに足る証拠はない。従つて被告は本件軌道設備につき瑕疵があり、国賠法二条一項により損害賠償義務を免れ得ないというべきである。

四過失相殺について

<証拠>によると、本件事故現場は、付近の街燈のあかりもあり、まつ暗ではなかつたこと、英樹は本件交差点を本件事故以前にも幾度か通つていたことがあり、軌道面と道路面に段差のあることは知つていたものと推認されること、本件事故後、現場を検証した警察官が事故を目撃した者からの事故の状況について、ドンという音とともにバイクがジャンプし、その直後人とバイクがばらばらになつて飛んで行つたことを聞いていること、検証の結果、衝突地点から約二二メートル先にバイクが転倒しており、その付近に血こんが落下していたことが認められたこと、以上の事実が認められ、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。右の事実によると、正確な速度は明白ではないが少なくとも制限速度の時速三〇キロメートルを超えるかなりの高速度で走行していたものと推認され、もし高速度で走行していなければ前記の段差に衝突してもハンドルをとられることも、スリップすることもなかつたであろうと考えられ、仮に法定速度を遵守しておれば、過去の転倒事例からみても転倒したとしても、死亡するほどの重大事故に至らなかつたものと考えられる。以上のことから判断すれば、英樹には本件事故の発生につき七割の過失が存すると認めるのが相当である。

第三原告らの損害

一逸失利益

<証拠>によれば、英樹は本件事故当時、有限会社南日本火災報知機の代表取締役として、一か月金二五万円の給与、年間三〇〇万円の収入を得ていたこと、英樹は本件事故当時、満四三歳の健康な男子で本件事故後少くとも二四年間は右程度の収入を得たであろうと推認できる。英樹の生活費は右収入の三割が相当である。新ホフマン式計算法(係数一五・五)により中間利息を控除すると英樹の逸失利益は

3000000×(1−0.3)×15.5−32550000(円)となる。

二慰謝料

英樹は一家の支柱として稼動していたものであるから一五〇〇万円が相当である。

三葬祭費

英樹が死亡したことは前認定のとおりであり、英樹の年令、職業、社会的地位等を考慮すれば、葬祭費として七〇万円が相当である。

四相 続

<証拠>によれば、原告優子は英樹の妻であり、その余の原告らは英樹の実子であるから、英樹の死亡により原告優子は前記一、二の損害賠償請求権を二分の一、その余の原告らは各六分の一宛相続により承継した。従つて原告優子の損害額は前記一、二の相続分に前記三の固有の損害額を加えると、二四四七万五〇〇〇円、原告耕一、同洋樹及び同桂三の損害額は七九二万五〇〇〇円となる。

五過失相殺

前記認定の過失割合を斟酌すると、被告の負担すべき損害額は原告優子に対し七三四万二五〇〇円、その余の原告らに対し各二三七万七五〇〇円となる。

六弁護士費用

弁論の全趣旨によると、原告らは本件訴訟の追行を原告ら代理人に委任したものと認められるところ、本訴の難易、認容額等に照らすと、被告に負担させるべき額は、原告優子につき九〇万円、その余の原告らにつき各二〇万円合計一五〇万円が相当である。

第四結論

以上の次第であるから、原告らの本訴請求は、原告優子に対し、金八二四万二五〇〇円及び内金七三四万二五〇〇円に対する昭和五八年五月二四日から、内金九〇万円に対する昭和六〇年一〇月一三日から、その余の原告らに対し、各金二五七万七五〇〇円及び各内金二三七万七五〇〇円に対する昭和五八年五月二四日から、各内金二〇万円に対する昭和六〇年一〇月三日から、各完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度において理由があるので認容し、その余の請求は失当として棄却し、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九二条を、仮執行の宣言につき同法一九六条をそれぞれ適用して主文のとおり判決する。

(裁判官日野忠和)

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